ASDとADHDとの併存

発達障がいは、複数の診断名が併存することがよく知られています。

 

では、併存することによってどのような困りごとが生じるのでしょうか。

ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)が併存している場合、どんな影響があるのか、とあるご本人さんに尋ねられたことがありました。

その時回答したことを、後に研修スライドとしてまとめました。

ただ、当時、他であまり聞いたことがなかったこともあり、配付資料には載せず、スライドを見せるだけに留めていました。

ですが、話すたびに「これは私のことです!」とおっしゃられる方が次々と出て来まして、やっぱりそうなんだなあ…とじわじわ確信を持つようになりました。



そんな中、児童精神科医の本田秀夫先生が、著書の中で、重複例に触れられているのを読み、やっぱり似たようなことを考えていたのだ!と安堵し、心強く感じました。


それで、かつてまとめた内容をブログで公開したいな…と思いつつ、書くタイミングを逃していたのですが、ようやく載せられました。


以下、障がい名で色分けします。


ブルー=自閉スペクトラム症(ASD)

ピンク=ADHD


次から次に新しい刺激を欲し、飽きやすいですが、新しいことや変化が苦手で恐怖感が伴うため、先に進めないことがあります


雑多なことに一貫性やパターンを作りたがりますが、同じことの繰り返しになるとつまらなくなります


思いつきや行き当たりばったりで行動しやすく、ミスや失敗が多くなりますが、完璧主義で目標が高いために不全感や不達成感を強く感じます


本当は一つ一つを最後まで完全に終了させたいと思っているのに、目についた事柄に関心が移り、どれも中途半端になってもどかしさを感じます



好奇心が強いため、不安を乗り越えて新しいことに飛び込んでいける、という強みでもあります

◆相反する2つの傾向によって、苦しんでいることもあります

 


 

他にも色々ありそうでは、と思います。
ご本人さんの意見も聴きたいですね。


本田先生は講演で、「併存で、特性の一部が目立ちにくくなる」と述べられていて、とても納得しました。

本当は、ASDとADHDの両方とも特性を持っているけれど、外に表れないことで理解されない悩みや苦しみを抱えやすいのです。


※重複例の記述がある本田先生の著書※


『発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち』SB新書,2018年


『発達障害がよくわかる本』講談社,2018年


よく語られる、発達障がいの「併存」「重複」によって、本人がどのように体験しているのか、その葛藤や苦しみ、そして時に思い切った挑戦や前進に、ぜひ理解と応援をしていただけたらな~と願うばかりです。 




 

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※ここに書いたことは、これまでの実践経験から得た知恵みたいなものです。研究による検証などは行っておらず、今後変わり得ることがありますので、そのつもりでお読みください。


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